2023/10/01


「なんでも作れちゃう日のこと」


娘の大好きなぶどう。

普段は私が娘の器に取って出すのだけれど、この日はたまたま父ちゃんが用意。


そうしたら、たまたまその一粒目に黒く傷んでいたものがあった。
はじいてから一言。

「父ちゃんはぶどう作るの下手だね。ママちゃんは上手なのに。焦げ焦げしちゃったね。」



ぶどうが作れるようになれば、ママちゃん、超料理上手だよ。



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スーパーにシャインマスカットが並んでいるのを見つけたら、じぃじに「シャインマスカットが出始めました!」とだけLINE。自分では買わない笑

2023/09/23


「宇宙語通訳士の日のこと」


まだ子どもを持つ前のこと。
おそらく2歳だったと思う、を育てる友人宅に遊びにいった時のこと。

小さな子とのしばらくぶりの触れ合いをとても楽しみにしていたのに、
いざ対面すると…その子の言っていることが分からない。

遊び相手になりたいのに、正確な単語なんか一つもない謎の言語を話すこの子が、
何を望んでいるのか読み取るのが難しい。

なのに。
隣に座っていた母親はその宇宙語を全て理解し、うどんをよそい、与えはじめた。


え、今のどこに”うどん”という単語が、、?


何年か経ち。
私もこの宇宙語をマスターする通訳士になった。

それに気づいたのは、孫を相手に何年か前の私と全く同じ反応をしている父を目にした時。

「え、なんで分かるの?」と不思議でたまらなかった翻訳能力を、知らず知らずのうちに私自身も習得していた。

でもこの能力、もったいないことにあくまで我が子にのみ発揮される特殊技術に留まっている。

毎日、毎日繰り返される膨大な親と子の会話の中から、小さな単語のかけらをマイ辞書に蓄積、蓄積して生まれた先の産物。


最近、この翻訳能力の大幅アップデートが行われている気がする。

初期の頃、ぶ→ぶどう、うんうん→うんち、というものだったのが最近は、

白いラーメン→うどん、皆がカップに乗って舞踏会行くやつ→美女と野獣のディズニーアトラクション、

という感じにいくつかの単語の連想ゲームverになった。
我が子専門通訳士としてのスキルは無意識に身につき、無意識にレベルアップされていく。

だけど。いつかこの我が子にしか使い道のない辞書を用いての通訳作業が必要のない日がきっと来るはず。
そう思うと、寂しいような、どんな達者を言ってくるだろうか楽しみのような、
今だけの謎の宇宙語を愛でたいと思う。

2023/09/22


「川の字の順の日のこと」


寝る時の布団の並びは、右から父ちゃん、娘、私、弟。
でも今日は、私と弟の間に入ってきた娘。

こっち側で寝るの?とたずねると
「だってママちゃん、きくちゃんの方見てくれないんだもん。」


まだ小さくて何かと心配な弟の方へ、体を向けて寝ることが多くなっていた私。

その視界に入るには、と考えて、順番を変えることを思いついたのであろう娘。

賢いと愛おしいが混ざって、笑った。

2023/09/21


「繋ぐ手を思う日のこと」


スーパー、図書館、保育園の送り迎え。
近頃、娘のほうから私の手を取ることが、なんだか少なくなったような気がしていた。

でも私はいつもの習慣だからなのか、手を握っていないことが不安だからなのか、
はい、とつい手を差し出してしまう。

私が、はい、と手を出したその時、娘はちょうど興味のあることに向かって走り出そうとしていたところだった。

手を握り返してくれたけれど、ハッとする。
私のいつもの癖が、娘のしなやかな勢いを、制してしまったのではないか。

足の先に広がる大きな大きな世界に、娘が自力で駆け出そうとするのを、私が手を引っ張て止めてしまった、そんな情景が目の裏に浮かんだ。


私の半径何十センチが娘のテリトリーではもうとっくになくなっていて、娘のいる世界は日々、日々、こちらが想像できないくらい大きくなっているのかもしれない。

その世界がぐんぐん広がって、気になる方へ一目散に走り出していくのを、この手は決して邪魔してはいけない、と静かな寂しさよりも先に、つよく思った。

2023/09/17


「おしゃれのモチベーションの日のこと」

最近洒落っ気づいてきた娘。
休みの日には必ずドレス(ワンピースのことをそう呼ぶ)をリクエストする。

 
ある日「なんでママちゃんはいつも同じ服なの?」と。

「すいません。。。苦笑」
普段の服装のサボり具合をよーく見られていた。


ほとんど会う顔は変わらないし、抱っこすればすぐ足形はつくし、行き先は保育園とスーパーくらいで、張り切っておしゃれする気力は湧かず。
昨日着た服と被らないことにだけ気をつけて、3着くらいで1週間を過ごす。(笑)

そんな時娘から掛けられたこの言葉に、せめて休みの日くらい、手抜きはやめるか、と思った。

そして、そう心がけるようになってからのある休日。
「ママちゃんおしゃれ〜、似合ってる」
「ほんと?似合う?いぇ〜い」

二人で親指を上に突き出す。

おしゃれ心が芽生えた女子が身近に誕生したことで、油断できない状況になったけれど、同時に女友達のような関係性も出てきてなんだか楽しい。

これからもズボラなママちゃんを注視して、モチベーションアップをお願いします。

 


2023/08/28


「父の教えを活かすの日のこと」


景品でもらったバスケットボールのおもちゃ。

なかなかゴールにボールが入らなくてヤケを起こしそうになっている娘に、父ちゃんは「諦めないこと」の大切さを説いた。


その日の夜。
寝る時に付けている父ちゃんのアイマスクが紛失。あちこち探すけれど見つからず、徐々に苛立ってくる父ちゃん。早く寝たくて、イライラは加速。
ぶつける先のない父ちゃんの怒りの矢が部屋中に放たれている感じだった。

すると娘が、
「さっききくちゃんがボールやった時、父ちゃん諦めないって言ったじゃん」

3歳児に諭され自分の発言で自分の首を絞めた父ちゃん、返す言葉もなく。笑

(ママちゃんは心の中で、娘に対してあっぱれの拍手喝采。笑)

2023/08/21


「しゃがむから飛べる日のこと」


先々週くらいからまた「保育園行かない」が始まった。

夜寝る前に「明日保育園ある?」と聞き、朝起きたら「今日保育園ある?」と聞く。「あるよ」の返事がスイッチみたいに、その都度保育園行きたくないと泣く。


今回の行きたくない理由は、プールがいやだから。
プールの何がいやなのか尋ねると、水が怖いとのこと。

娘はまだ大人と手を繋いでいないとプールに入ることができない。

この間、プールの引率に行って驚いた。
みんな臆せず水に入っていき、数秒間潜ったり、先生2人が手を繋いで水中に作る手のトンネルをくぐったりする子もいる。

1人で水に入れないのは娘だけだった。

そんな状況をついこの間自分の目でも見てきたので、確かにプールの時間、ちょっと辛いだろうなと思った。(手を繋いで水に入れば、楽しく遊んではいるのだけれど)


週末が終わり、保育園が始まる月曜の朝。
案の定、登園不可を訴え涙を流す娘。

「先生にプールに行かなくてもいいか聞いてあげる、プールがいやですって言ってあげる」という約束をしたら納得をして車に乗ってくれた。
(私は最初、今日雨降るからプールないよ、と嘘をついて連れて行こうとしたが、そういういい加減な方便はやめた方がいいと旦那に諭された)

約束通り、先生に娘の事情を話し、あとはお任せした。


その日のお迎え時、今日のプールの様子を先生に伺うと、なんと手を離して1人でプールに入ることができたとのこと。
登園前あんなに泣いて嫌がっていた、あの君はどこへ行った?

親の心配を裏切り別人になって戻ってきた。

ふとメンタルリープという言葉が思い浮かんだ。
(1ヶ月半の2人目育児の中で、最近ちょうどこの言葉を目にした所だった)

娘はとっくに赤ちゃんではないけれど、今朝のぐずりは、この大きなジャンプのためのしゃがみ込みだったのかもしれないと考えてみたら、なんだかすごく腑に落ちた。

あの涙は、自分の壁を越えるための覚悟と決意の表れだったと見方を変えたら、“勘弁してくれ〜”から、“全力で応援しなきゃ!”に、私の気持ちも180度変わった。


この先もまたすぐこういうやり取りが発生するだろうけど、その時は、大きな壁を大きなジャンプで一気に越えていく娘の姿を想像して、私は応援席一列目に座っている気持ちで見守っていきたいと思った日のこと。

2023/07/30


「3歳4ヶ月2日のなぜ?とその答えの日のこと」

「ねぇ月が車についてくるよ、何で?」

昔、子どもだった私が抱いた疑問を娘も不思議に思う日が来るとは。
(多分その時私は年長くらいにはなっていた気がするけど)

同じ感性が備わっていることの小さな証明みたいな気がして嬉しくなる。


「何でだろうねぇ?」
正確な理由をいまだによく知らない私が言うと


「ん〜。

きくちゃんが可愛いからじゃない?」


お月さん、ただのストーカーじゃん笑


いつかの私と同じ発見をした娘、3歳4ヶ月2日の日のこと。

 


2023/07/10


「たまらない日のこと 」

弟が家に来てからの娘は、早速世話焼きねぇさんをしています。

泣けばミルク?と私に確認し、朝は目が開いたかと思ったら、すぐにシャッキリ立ち上がり弟のもとへ。

掛けたそばから短いキックで剥がれるおくるみを、「なんでよー」と言いながら何度も掛け直してくれたり。

ヒヤヒヤするようなハグと、小さな口も鼻も塞がれる危険な頬ずりで、愛情表現も欠かしません。
 

 

そして、「この子、たまらなく可愛い」と目を細めます。
(たまらない、なんてどこで覚えてきた?)

 

一方の弟は、両足をまっすぐ伸ばし、頭を左右にフリフリ、
こちらもたまらない様子で、かなわない抵抗をその度に繰り返しています。