「透明な、見えないものを想像する日のこと」
後2日で、妊娠後期だそう。
だからなのか最近眠りが浅く、3時前には目が覚めてしまう。
早すぎる朝ご飯を食べ、ダラダラしたり、掃除をしたり。
そうしているうちに、娘が起きてくる。
ごはんを食べさせていると、事あるごとにしょげたり、不満を言ったり、ふてくされたりする。
(赤ちゃん返りなのか最近こういう素振りが多い。)
「じゃあもうご飯食べなくていいよ」
寝不足のせいもあってか、寛大な心ではいられない。いつもなら受け流せる小さな事に妙にイライラ。
「だってさ…」
という弁明が聞こえるけれど、食器を片付けながら透明な両手で耳を塞ぐ。
ご飯が終わっても私の気持ちは全然切り替わらず、無口なまま保育園へ向かう車に乗る。
保育園に着いたら今度は、駐車場の水たまりで娘が転ぶ。
ズボンが泥だらけになった。
えー、、、なんでよ。
あと少しで穏やかな気持ちになれると思っていたのに。またイライラが重なる。
早くこの場を去りたくて、園舎に向かい早足で歩く私。
なぜ母親がそんな風なのかちょっと困惑した顔で、遅れないよう小走りでついてくる娘。
これが大人か?
でも自分でもどうしようもできない。
転んだ時、「大丈夫?」って言えなかった。
今も、子どもにこんな顔をさせている。
爽やかな「おはようございます」を投げかける先生。
今は、違う世界にいますから私。
普段もそんなに愛想良くないけれど、今日はその最低すらも保てない。
こんな私が親でいいのか?
自分でもダメだろうと思う。
誰か、今すぐ私を静かな箱の中に入れてください。