2023/06/06


「言えない折り合い弁当の日のこと」


夫婦での時間の使い方の配分が理不尽な気がして、馬鹿らしい気持ちが湧く時がある。明日の遠足のお弁当の中身を考えながら思った。

何にも相談してないけれど、お弁当を作るのは初めから私と決まっているのはなぜ?

今までそんなこと思ったこともなかったけれど、ちょっと疲れていたせいか、明日は父ちゃん弁当でも良くない?
と考えて、さすがに急すぎるから本気で提案するのはやめた。

だけどやっぱり気持ちは静まらないから、明日のお弁当はちゃんと作らないことに決めた。

自分の勝手なこだわりで、冷食は使わない、お惣菜に頼らない、と決めていたけれど、もう明日はスーパーのおかずを詰めちゃおう。

ハンバーグはこねない。ブロッコリーも茹でない。

私の些細な苛立ちに、とばっちりを受ける娘には申し訳ないと思うけど、前回も残してきたし、前々回も残してきたし。
むしろお惣菜の方が美味しいのかも、と申し訳なさ自体に開き直った。

お惣菜のハンバーグは売っておらず、唐揚げ、きんぴら、煮豆を買って、残り物のハヤシソースをかけたパスタ、かぼちゃ、ウィンナーを焼くだけ、作り置きのきゅうり漬け、プチトマト、ぶどうを詰めるだけ。
(少量のパスタを茹でたのが悔しい気がしてくる笑)

あっという間に出来上がって、見た目もばっちり。
いつもとはちょっと違う、完成時の満足感。笑

さらに私がお弁当を作っている風だったからか、何も言わなかったのにリュックや着替えの用意はぜーんぶ父ちゃんがやってくれ、思った何倍も楽な遠足の朝になった。

用意されているお弁当を見てから、家を出発するまでずーっとお弁当のことを気にし、食べるのを心待ちにしている様子の娘には、少し後ろめたい気分になったけれど、今日はこれで良し、とした。

頑張らなくて済んだことで、当てどころのないイライラも大きくならずに消えたから。

(帰ってきて、結局完食じゃなかったと知って、また少しホッとした。)

手抜き弁当、じゃなくて、折り合い弁当。
未熟者の私には、これからも頼るべき存在だと思った日のこと。



—————— 数日後、この話に続きができた ——————

遠足から1週間後、園の懇親会があった。

先生から食の大切さに絡めて、お弁当の話が出た。

「このクラスのお母さんたちのお弁当は、みーんな手作りで、美味しそうで、本当にすごいです!私、驚きました!」

気まず過ぎて、思わず笑った。

どうかどうか先生がうちのお弁当を見ていませんように(笑)

(先生のお褒めの言葉のおかげで、私のプチイライラは、完全に昇華されていったのでした笑)