「3秒の至福の日のこと」
深夜なのか早朝なのか、3時半。
隣の布団でくずり出した息子を抱き上げる。
まだ眠りの中にいる人たちを起こしてしまわないよう、安心できる別の部屋に行く。
ふっくら柔らかな丸い体に、キルティングロンパース、その上にフリースのスリーパーをまとっているから、抱き枕のような、湯たんぽのような、
心地よくて温かな塊になっている腕の中の子。
この寒い時間帯にちょうど良くて、これは新しい冬のあったかアイテムかな、
なんて思いながら無意識に顔をうずめる。
ほんの少しだけ浸ったら、
反り返って抵抗し始めた子どもに、強制終了させられるたった数秒の情緒的な時間。