「プチ・ミッションコンプリートの日のこと」
暗闇の中で、1発でミルクの位置を特定できた。
1発でオムツBOXの在処を当てることができた。
姉を起こさぬよう、
覚醒中の弟がこれ以上大きな声を出さぬよう、
物音ひとつ立てず、超人的な能力を発揮した私。
難解なミッションに挑むスパイのようだと、そんな情景を思い浮かべる。
ミルクとオムツを確保したら、
布団に埋もれている小さな体の所在を、両手の感触を頼りに確かめていく。
顔の輪郭を捉えた時の、ほっぺたの何という柔らかさ。
追い求めていたお宝が、自分の想像を超える代物で息を呑むスパイのようだと、
そんな情景を思い浮かべる。